一般財団法人 森の風環境基金は、① 環境保全活動(とりわけ原生的自然や稀少な野生生物の保全活動)に携わる人や団体を資金面から支援し、② 環境保全活動の一助となるべく業務にあたる弁護士等の専門家へ必要にして十分な対価を約束できるような社会のシステムを作る、という目的で立ち上げた基金です。
これまで森の風法律事務所では、『オオヒシクイ自然の権利訴訟』や『新石垣空港設置許可の取消訴訟』などの環境事件を数多く手掛けています。そうした事件を経験する中で、金銭的な難しさを痛感してきました。環境保護を訴える側は、環境に手を加えようと企てる側に比べて、経済的な弱者であることが常です。それ故、残念ながら、環境事件は「業務に見合う報酬が受け取れない」とか「費用が持ち出しになる」といった理由から、専門家である弁護士等の受任に至るハードルが高いのが現状です。
―― 環境保全活動の主体となる人や団体の費用負担を減らし、且つそうした活動の手助けをする弁護士等の専門家にも金銭的な保障をする。――
当財団の設立は、実際に環境事件へ従事してきた森の風法律事務所だからこそできる、「こんな仕組みがあれば良いな」と事務所創立の時から追い求めてきた理想を実現するための歩みです。自然を愛し、自然と共に生きる皆様からのご支援を賜れますと幸いです。
なお、森の風環境基金では、当面、下記の2本立てで目的達成に向けた活動を行う予定です。
山が織りなす原生自然環境と山スキーをこよなく愛した山田裕三氏(1949~2024)。当財団は山田さんからの遺贈を基に立ち上げに至ります。彼に敬意を表し、お名前をお借りしました。主に、上記①の目的のために用います。
森の風法律事務所のメンバーとして『諫早湾自然の権利訴訟』など数多くの事件を共にした久連山陽子弁護士(1969~2012)。ダイビングを好み、自然環境と野生生物に深い愛情をもたれていましたが、惜しくも早世された彼女を偲び、お名前をお借りしました。主に、上記②の目的のために用います。